1996年発売、DS13号に掲載した、Windows95以降環境向けAVG(ただし最新のWin環境で動かすには、有志制作のパッチが必要です)
実写取り込みのマップを3DRPGのように歩き回りつつ、クリックで周辺を調べたり、キャラと会話したりしてストーリーを進めて行くというAVG。さらに、戦闘はマウスSTGになっています。
AVGながらも、3DRPG風なあたりが魔導物語らしいですね。
物語は日本の歴史をなぞったもので、歴史上の人物をDSキャラが演じているような形になっています。
簡素ながらも、日本史を勉強できるゲームでした。
【アルル漫遊記】
発売:コンパイル
収録ソフト:ディスクステーション(BOOKタイプ)13号
動作環境:Windows95以降
ジャンル:AVG+マウスシューティング
発売日:1996年12月6日
レーティング:全年齢
魔導学校へ通学途中のアルルは、サタンにインネンをつけられて…。
そう、サタンがカーバンクルを取り戻しに来たのです。
「カーバンクルちゃんはそのちんちくりんな色気に騙されているのだ!」と言われ、すっかり怒ったアルルは、サタンに攻撃をしかけます。
難なくそれを防ぐサタンですが、そこにカー君がビームを放ち…
3つの力がぶつかり合ったせいで空間が歪んでしまい、そして2人と1匹は、なすすべもなくそこに吸い込まれてしまいます…
アルルが気が付くと、そこは見たこともない場所。自分の衣装も奇妙なものになっています。
魔法も使うことができず、困惑しながらも周囲の探索を始めるアルルですが…
基本的には、周囲を歩き回っては見つけたアイテムを調べたり、人に話しかけたりするという、移動要素を含んだAVGになります。
ただし、マップが実写取り込みで、3DRPGのような移動を備えているというのが特徴的なゲーム。…とはいえ、全方角のマップを用意するのは困難だったのか、アルルの向きは北固定になっています。
歩き回り、建物を調べたり、見つけた人の話を聞いたり、建物の中では本棚の本などから有力な手掛かりを見つけたりしながら、ゲームを進めて行きます。
戦闘はマウスシューティングになっており、敵の攻撃を打ち落とすという形になります。
このゲームでは、アルルの魔力はかなり抑えられてしまっており、相手を倒す決定打となるほどの魔法は使えない…という設定のため、一定時間攻撃を防ぎ時間を稼ぐ…と言うような感じの戦闘になっています。
これは高スペックマシンではかなりの難易度なのですが、当時の私の環境はかなりのポンコツPCだったため、弾が落としてくださいと言わんばかりの速さで飛んでくるので、さくさく撃ち落して、なんて楽なゲームだと思っていました…w
クリア出来ない方はPCに負荷をかけるソフトとか探してみてください。ただしご利用は自己責任でお願いします。
このゲームには様々なDSキャラが、歴史上の人物として登場します。
例えばジャンプヒーローのイヴァンは藤原道長、ウィッチは清少納言、ルルーは巴御前など…。…ルルーは豪傑な女武将として有名な巴御前と言うことで、ちょっとハマり役ではあるかも?w
チョイ役として、通りすがりの人としてファーリンがいたり、森の中でただ出会うだけのクリルちゃんやたぬキッズの子だぬきなんかもいるので、登場キャラ数はかなりのもの。ぶっちゃけ、一周するだけでは会えないキャラも多いです(スタッフロールに登場キャラが出ますが、意外と見てないキャラ名が多くて…w)
ただし、日本史がモチーフと言うことで、彼らとはたいてい悲しい別れを迎えることになるのです。…なじみのキャラが死地に向かって行く様子を見るのは、なんとも複雑な気持ちを覚えますね…。
それにしてもこのゲームは、登場キャラも多いのですが、表情パターンも多く用意されており、ころころ表情を変えるキャラクター達がとてもかわいいゲームでもあります。
サタン×アルル要素を含んでいるようで、サタンからアルルへの対応が若干悪かったりして、よくある「アルルにぞっこん」なサタンとは違った雰囲気で描かれている作品でした。
だってサタンがアルルに「血祭りにあげてやる!」とか言うんですよw どちらかと言えば「ぷよぷよ」ではなく「魔導物語」寄りのサタンなのかなあと言う印象がありました。しかも元祖のほう。
でも仲直りしたりとかのサタアルっぽいシーンもあったりと、なんとも言い難いw
とはいえアルルではなく、カー君に執着している印象が強いですね。
それとこのゲーム、曲が結構いいです。
和風と言うことで、今までの魔導とは全く違った雰囲気の新規曲ばかり。
まぁもちろん、サントラのようなものは出ていませんが…。
DSゲームって曲がいいのになあ、って言うの多いですよね…、どうしてもパッケージ化の機会に恵まれなかったせいで、いまいち「曲がいい」っていうの伝わらないままです。
とにかく、PC環境によって変わるマウスシューティングの、難易度によっては大変なゲームでしたが、様々なDSキャラが登場するという、良くも悪くもDSらしい一本だったといえます。
…魔導シリーズというより、DSキャラゲーってジャンルになるのかなーと思ったりw いや、でも私は好きです。
ちなみに、このゲームはフィクションだけど、ノンフィクションな部分もあるから、歴史書とか見ながらやるとより楽しめるよ!ってメッセージが入ります。
…いやまあでもアルルが関わった時点で大半フィクションだよね…wとは思うんですが、歴史に親しむいいきっかけにはなると思います。
それにしてもシーンによってさまざまな写真が必要になるので、ロケが大変だったんじゃないかなと思います…。
日光江戸村での写真が多く使われているようですが、崖とか海とかの写真もあるし。
っていうか、コンパイルのある広島から日光(栃木)まで行くのも大変だったと思いますし…それでも良いゲームを作るために実写にこだわったのかなと思うと、スタッフさんの努力には頭が下がります。ニャンまげに飛びつこう。ドンドン!
◆スタッフ
ディレクター&企画&撮影:白龍鳳 霞
プログラム:shiki/佐藤 隊長/木造 稲三/眠兎
グラフィック:弓 弦ノ助
実写取込&加工:沢渡 寿三郎/和 あき久
サウンド&エフェクト:PRO SUGAR/松島剛史/スーパーけん太
お手伝い:椎名葉佐斗/コンパイルのみんな
撮影協力:日光江戸村
プロデューサー:北野盤監
EX・プロデューサー:MOO仁井谷
◆プレイ日記
・アルル漫遊記プレイ日記 第一回
・アルル漫遊記プレイ日記 第二回
・アルル漫遊記プレイ日記 第三回
・アルル漫遊記プレイ日記 第四回
・アルル漫遊記プレイ日記 第五回
・アルル漫遊記プレイ日記 第六回
・アルル漫遊記プレイ日記 第七回
*画像はすべてコンパイル「アルル漫遊記」より
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