【 ラストノート 】
リンゴの香りを纏った香水頭の青年「フジミ」と、記憶のない「あなた」の話。
強い香りは、あなたの記憶を少しずつ蘇らせていく…
切ない「ラストノート」の香り漂うノベルゲーム。
短編だけど、ふとした瞬間に嗅いだ香りのように、記憶に残る作品です。
から無料プレイ可能です(ノベルゲームコレクションへ飛びます)
スマホを含むブラウザのほか、WindowsでDLプレイも可能です。
【ラストノート】
開発/発売：鎬谷しのぎさま
ジャンル：AVG
動作環境：PC/スマホのブラウザ(HTML5動作環境)
リリース日：2025年3月8日
価格：フリーゲーム
年齢区分：指定なし
あなたは、強いリンゴの香りで目を覚ます。
目の前には、香水の瓶を頭にした青年。
リンゴの香りは、彼の割れた瓶から漂っていた。
何も思い出せないはずなのに、彼の名前が「フジミ」であることだけは知っていた――。
あなたは、見知らぬ部屋で、香水頭の青年とやり取りをすることになります。
選択肢はわずか。
どの選択肢を選んでもエンディングに変化はありませんが、フジミの反応が愛らしいので、ぜひどちらの選択肢も見ておいてほしいです。
しかし、「思い出す」の選択肢だけは、どうあっても選ばなければなりません。
画面に表示されたその「思い出す」の文字は、まるで主人公にほかの選択肢を許さないかのように思えます。
まるで「記憶からは逃げられない」と、伝えてくるかのようです。
青年・フジミと思い出話をする、穏やかな時間。
主人公の記憶も、少しずつ蘇っていきます。
幼いころに作ったアップルパイ。
フジミが纏うリンゴの香水。
薬を溶かしたりんごのシロップ。
ケガをしたフジミのこと。
タイトルの「ラストノート」は香水の香りの変化から取られています。
香水は時間の経過とともに香りが変わり、その変化は三段階に分けられています。
最初に香るトップノート、続いて漂うミドルノート、そして最後に残るラストノート。
そう、フジミはいつだって強いリンゴの香りを纏っていました。
…ああ…フジミの香りは、どんどんリンゴに蜜が入るかのように、じわじわと甘さを増していたっけ…
そして主人公はすべてを思い出します。
この物語が纏う香りは次第にその深さを増し、まさに「ラストノート」が香る頃合い。
物語の結末そして主人公が纏うさいごの香りを、ぜひ堪能してください。
それにしても、割れた香水瓶が記憶の中のフジミの変化を表していたり、物語の変化や世界感を巧みに「ラストノート」という言葉で表していたり…
言葉の選び方や表現が、本当に見事な作品でした。
まさに香水の香りが移り変わるように、物語の変化を味わえる作品でした。
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*画像は鎬谷しのぎさま「ラストノート」より
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